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神去なぁなぁ日常

昔。娘が4歳の頃まで、山間の街に住んでいました。どのくらい田舎かと言えば、最寄りの駅は県を超えて40キロ先の、しかも単線の小さな駅でした。連なる山々の間から、雨上がりには霧がたちのぼり、幻想的な風景を見る事が楽しみでした。神社のイチョウの大木は、秋になると、その黄金の姿を見せつけて、なにやら威厳がありました。しめ縄を巻いた大杉は、天高く伸びていたなぁ~。

15分ほど車を走らせると、山間のちょっとした台地があって、田んぼが広がっている地域があったのだけど。もわっとした梅雨の頃。蛍の乱舞が、本当にすごかったなぁ~。小さな娘は、始めは喜んでいたけれど。光の主が、黒い虫だと知ってからは、本気で嫌がっていたっけな。街の人は軽トラックでやってきて、田んぼのへりにズラっと駐車して。荷台の上で、蛍を見ながら、酒盛りしてたなぁ~。神社のお祭りは。本当に、ほぼ暗闇の夜道の坂を、息を切らせて登りきると。社の前だけが、煌々と照らされて人がたくさんいて・・・まったく別世界だったよな。

そうそう。「ヨソモノ」と言われて、意地の悪いコトを言ってきた人達もいたな・・・。狭い狭い人間関係だから、ヨソモノを嫌う人達もいたし、興味本位で近づいてくる人もいた。地区ごとに「財産区」があって、ただ職場の転勤だけで転居してきた私達には、ハッキリと区別された行事もあったな。

でも。いろいろ悩んだ事も含めて、田舎暮らしでの出来事は、私達を、大人にしてもらったんだなぁ~・・・って思う。素晴らしい先輩や友達にも出会えたしねぇ♪

そんな経験があるので、とても、感情移入しやすく読みました。

「 神去なぁなぁ日常 三浦しをん 著 徳間文庫 619円+税 」

高校を卒業した平野勇気は、とくにやりたい事もなく、フリーターで食べていこうと思っていた。それが、先生と親のサシガネで、三重県の林業の現場に放り込まれた事から、この話は始まります。

始めは嫌で嫌でたまらなかった、田舎の生活や。馴染めない林業の仕事。仲間や村の人達と過ごす中で、勇君は、だんだんと、「この仕事、いいな」「こんな暮らし、いいな」と、思い始めます。
そして、淡い恋もします。

村には、ヨソモノには教えたくない「秘密」があり。介入される事を、拒否される事があったり。疎外感を味わったり。それでも、一生懸命、仕事に取り組んだり、街の為に・・・と、身体を張っていく中で、徐々に「存在」が認められていきます。

私が住んでいた街は。高い山に登ると、国立公園の境界線からは広葉樹が広がっているのですが。その、境界線が、ハッキリ目で見て解るほど、山はスギやヒノキが植えられて。さながら、緑のパッチワークのようでした。すでに、手入れのされていない所もあり、暗い暗い森になっていました。都会にいた時は、単なる「山」でしたが、「あぁ・・・杉やヒノキの畑なんだな」って、思った事があります。

里山も、林業も。かつては、里に住む人達が手入れをしながら、「共存」してきた世界でした。でも、その先には、大きな、抗えない「自然」があって。その「恐れ」が、山岳信仰などで表されているように思います。だから、都会よりも、「神さま」は、とても身近で怖い存在です。

「神隠し」や「神様の娘さん」の姿など。「ウソだぁ~!」って言ってしまうのは簡単ですし。ものすごく信じているワケではないのですが。抗えない自然を目の当たりにすると。「自然への恐れの気持ち」「尊敬の気持ち」って、大事なんじゃないかな・・・って、思います。

18歳の勇気君の、若さが、まぶしい作品でもあります。

私にとっては、懐かしい街での生活が、読みながら、次々と沸き上がってくる本でした。

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なんちゃって

Author:なんちゃって
震災・福島原発事故をきっかけに、娘と一緒に電気(電池)について学んできました。娘が高校生になったので子育て一段落。私の趣味?のサイエンス系の読書日記や雑感を書いていきたいと思います。一歩ずつ。ぼちぼち。

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